「いのちの食べかた」を観てきた

先週末、シアターイメージフォーラムで上映中のドキュメンタリーフィルム「いのちの食べかた」を観てきました。

食糧生産の現場のドキュメンタリーというと、スキャンダラスな演出いっぱいに「現代の食はこんなに危ない!」みたいなことをヒステリックに叫ぶような番組は山ほどあるんだけど、この映画はぜんぜんそんなことなくて、淡々と映像が流れていくだけ。一切のナレーションも演出もなくただ淡々と、大規模な食肉加工場や農場のようすが流れてきます。

たとえばベルトコンベアに乗せられて運ばれる大量のヒヨコとか、一面のヒマワリ畑に農薬を散布する飛行機とか、無言でランチを食べる職員とか。食肉加工場で、牛を電気ショックで気絶させるシーンとか、天井から吊るして腹裂いて内臓を取り出すシーンとかもある。
だから人によってはツマラナイ、キモチワルイ映像の羅列と思うかもしれないのだけど、わたしはとても面白かったし、観てよかったなあと思った。映像は淡々としていたけど、興味本位ではない、監督の食糧の撮りかたにはとても愛情を感じたし、全体的にかわいい。チャーミングな映画です。
わたしもこれからは、スーパーで売られている肉のミンチや魚の切り身にも、今までよりちょっとだけ愛情をもって、おいしく食べられるような気がしたのでした。