ひとめぼれしてしまった。

先週末、ひいおばあちゃんのお墓参りのために福島に行ってきました。
これはその途中、親戚の家に立ち寄ったときのこと。


子供のころに数えるくらいしか行ったことのない家だったのでまったく記憶になかったのだけど、途中で立ち寄ったその家は、猫がたくさん住んでる猫やしきだった。そのとき住んでたのは7〜8匹だったけど、多いときで20匹住んでたこともあるらしい。


当然、どの猫も見知らぬわたしに対しては「一見さんお断り」と言わんばかりに警戒心丸出しだったわけだけど、一匹だけ、なぜか警戒もせず足元にすり寄ってくる猫がいた。
他の猫よりひとまわりもふたまわりも小柄で、脚も細い。とってもとっても華奢な子。
そのときはてっきりまだ子どもなんだと思ってた。


その後、その家の居間に上がらせてもらってみんなで話をしたんだけど、その子はいつのまにか部屋に上がり込んで、人の膝にすりよってくる。
かわいいから体をなでていると、今度は勝手に人の膝の上に座りこんで、気持ちよさそうに目を細めて喉をごろごろいわすのだ。これにはやられた。かわいい。


あんまりにかわいいからこの子のこと、親戚に聞いてみたんだけど、話によればこの子は一度母親に捨てられてるんだって。
未熟児で生まれたんだけど、それからあまりに育たないので、この子の母親が首根っこくわえてポイっと捨ててしまったらしい。それを拾ってきて、今はこの家にいる。
他の猫に比べたら小柄なのも、子供なわけじゃなくて、もうこれ以上は大きくなれないんだってさ。
まだ子どもなんだと思ってたよ。おまえ大人だったのか。


人なつっこいのは、もしかしてこの子が一人じゃ生きられなかったこと、なんとなく知ってるからなのかなあとか思った。まあ、考えすぎなのだろうけど。
とにかく、大人になれてよかったね。


その家には挨拶に寄っただけだったので、その後すぐお別れをしたんだけど、今日になってもわたしはあの子に会いたくてしかたない。
どうやらわたしは生まれて初めて、猫にひとめぼれしてしまったらしいのですよ。困ったね。